東北大学電気通信研究所  人間情報システム研究部門
生体電磁情報研究室  石山・枦研究室

薄膜磁界センサ
  研究背景
    常温で使用可能な高感度薄膜磁界センサが実現した場合,その利用は多岐にわたります.例として脳から発生する磁界、
   心臓から発生する磁界等の生体磁気計測,局部近傍磁界計測,
磁気マイクロマシンの位置検出,モーションキャプチャ等
   が挙げられます.
   当研究室で開発が進められている薄膜磁界センサは高感度でセンサ本体のサイズも数mm角と小さく,常温で使用可能な
   ため磁界測定のあらゆる場面に応用できます.また、その感度も常温で使用可能な磁界センサとしては世界最高感度の
   2.8 x 10-12 [T] (周波数 501 kHz)
   を記録し、現在も記録更新中です.
 
図:薄膜磁界センサ本体の構図


          
                                   図:磁界センサの用途


  生体磁気計測
   人体内部には電圧の発生源が存在し、電圧が発生すると電流が流れます。電流が流れると必ず磁界が生じるため、
   体内の電流に伴ってさまざまな臓器から磁界が発生します。
   生体磁界の測定は病気の診断の新しいアプローチ法として注目されていますが生体からの磁気信号は非常に微弱なため
   測定が難しく、測定するためにはSQUID磁束計が必要となります。
   しかしSQUIDは極低温のみで使用可能なため液体ヘリウムや液体窒素などを用いねばならず、その為には大掛かりな装置
   が必要です。もし常温で生体磁界が測定可能なセンサが実現すればより容易に心磁、脳磁計測が可能となります
 
図:生体磁界強度とセンサ感度の比較