石山・後藤研究室

東北大学
電気通信研究所
人間情報システム部門
生体電磁情報研究室

研究紹介

位置検出システム

 近年、バーチャルリアリティ(VR)やモーションキャプチャーの発展からマーカーの位置検出の高性能化が必要になっています。磁気を利用した位置検出システムにはワイヤレス、バッテリーが不要、光学的死角がないという利点があり、これらは人間の目では見えない生体内や指先の動作計測での応用が期待されます。
 本研究室ではLC共振型磁気マーカーを利用することで複数のマーカーを識別し高精度な位置検出を行うシステムを研究しています。さらにこのシステムの特徴を生かして情報入力デバイスなどのアプリケーションに応用することを目標としています。

近傍磁界計測

 私たちの生活で使用している電子機器には、高い周波数の電磁波が使用されています。最近は科学の進歩によって電磁波を伝える線路を高密度化することで、さまざまな機器を小型化することが可能になっています。その一方で、複数の線路の距離が近づくにつれて、お互いの線路から漏れてくる電磁波が悪い影響を及ぼすことが問題になっています。これは「電磁両立性(EMC)」と呼ばれ、電子機器の使用が拡大する限り重要な問題です。
 私たちの研究室では、光と磁気の関係性である「磁気光学効果」を応用することで、漏れてくる電磁波の磁界を観察できるようにする研究を行っています。これにより、電子機器のさらなる発展を目指しています。

振動発電

 磁性体の中には,磁界に引き寄せられる性質を示すもの(強磁性体)があります. この強磁性体を磁界の中に置き磁化させると,伸びたり縮んだりし,わずかに形状が変化します. この現象のことを磁歪効果と呼びます. 逆に強磁性体に力を加え,伸ばしたり圧縮させると磁気的性質が変化する現象は逆磁歪効果と呼ばれ,センサーなどに応用されています.
 私たちの研究室では,この現象を利用した振動発電の研究を行っています. 例えば自動車や工場で動作する機械,歩行時に発生する振動など,身の回りに存在する振動のエネルギーを電力に変換するための研究に取り組んでいます.
 発電の基本的な構造は,細長く切った磁歪材料の一端を固定し,他端を自由にしておもりをのせたカンチレバー構造になっています. おもりが振動すると,磁歪材料が伸び縮みし,逆磁歪効果により磁化の強さに変化が生じます. 磁歪材料にコイルを巻いておくことで,ファラデーの電磁誘導の法則により,コイルを貫く磁束が変化し,電圧が発生します. これが振動発電の基本的な原理となっています.

振動センサ

近年,橋梁等のインフラの老朽化が問題となっており、その構造診断は現在、人の手による打音検査によって行われています. それに代わり,橋梁等の上を車両が通行する際の微少な振動をモニタリングすることでインフラの構造診断をする研究が行われています. それには,微少振動を検出するための高感度な振動センサが必要とされています. 磁性体には形状を変化させると,インピーダンス(電気抵抗)が変化する性質があり,これを逆磁歪効果と呼びます. 私たちの研究室ではこの性質を利用して,磁性体を基板上に成膜した薄膜状ひずみセンサを振動センサに応用する研究を行っています.

高周波磁界センサ

研究室紹介動画

過去の研究